修身教科書十二課、我が家

昭和十一年に発行された、中学校の『修身教科書』を紹介しています。
今日は、第十二課、『我が家』です。
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『我らの家には、祖父母や父母、兄弟姉妹など、格別親しい人々が、平和に幸福な生活を営むからである』
この教科書が書かれた昭和十一年がどんな時代だったのか。戦前で、恐らく日本国民は貧しかったであろう。今よりも恵まれていなかったであろうその時代、そこには『平和に幸福な生活』と言われて伝わるものがあったのでしょうね。精神的には、満ち足りていた時代であったのかも知れません。もちろん、人によっては『暗黒の時代だった』と表現するのでしょうが。

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『わが国の家は西洋のそれと違って、遠い祖先からら代々受け継いで、これを子孫に長く伝えていくから、父母の心掛けは、家名を汚すまいというだけではなく、進んで祖先をあらわし、立派な家にしたい。従って、子女にもこの心をつぎ込み、自分一代でそれが出来ないならば、子孫にその志をつがせたい・・・』

ちょっと前の私なら、『そんな時代遅れな・・・』と思ったであろうこの文章・・・
受け継いでいく事の重要性ってのを最近感じるようになりました。

ここで述べられている、西洋的な家庭、それは戦後に多く広まった『核家族』を指しているのでしょうか。世代を繋ぐものがなくなったことで、この国の思想から『背骨』が抜けてしまったような・・・

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今の自分があるのは、私を産み育ててくれた両親、その両親を産み、育ててくれた祖父母、曽祖父母・・・どこかでその繋がりが切れていれば私はここに存在しないわけで。

『これが即ち、祖先崇敬や家名尊重の心で、これを考えれば、我らの祖先たる古の武士が、戦場で、互いに名乗りを揚げて合戦した時の気持ちも、明らかに理解される』


なるほど・・・名乗りを揚げて戦う武士は、自分の名誉だけではなく、祖先の名誉も背負って戦っていたのだな・・・