上海領事館、自殺事件の続報・・・

民主党の偽メール事件で、執行部総退陣報道でちょっと隠れた観がありますが・・・きょうは、上海領事館職員の自殺問題の詳細報道がありましたね。まずは外務省のHPより公式見解。
在上海総領事館館員の死亡について
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/17/rls_1231a.html
平成17年12月31日
在上海総領事館の館員が、平成16年5月6日に自殺した事案の詳細については、ご遺族の強い意向もあり、公表を差し控えるが、在上海総領事館の館員の死亡の背景には、現地の中国側公安当局関係者による、領事関係に関するウィーン条約上の接受国の義務に反する遺憾な行為があったと考えている。
12月31日の在京中国大使館のホームページは、「日本側は、館員が職務の重圧のために自殺したと表明」したとしているが、日本側がそのような立場を表明したとの事実はない。本件については、日本政府として、中国政府に対し、事件発生直後から、事実関係の究明を求めるとともに、厳重な抗議を行っている。
また、「この事件は中国政府関係者といかなる関係もない」との中国側の立場については、我が方として受け入れられず、そのような中国側の立場は最近の中国外交部報道官の記者会見における発言を通じて承知しているが、それ以前に中国政府から本件の事実関係について説明を受けたとの事実もない。

そして、今日の『遺書の内容』にかんする報道

中国側、機密執拗に要求…自殺上海領事館員の遺書入手
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060331-00000001-yom-pol&kz=pol
 2004年5月、在上海日本総領事館の館員(当時46歳)が自殺した問題で、館員が中国の情報当局から外交機密などの提供を強要され、自殺するまでの経緯をつづった総領事あての遺書の全容が30日判明した。

 本紙が入手した遺書には、情報当局者が全館員の出身省庁を聞き出したり、「館員が会っている中国人の名前を言え」と詰め寄るなど、巧妙かつ執拗(しつよう)に迫る手口が詳述されている。中国側が館員を取り込むために用いた中国語の文書も存在しており、これが、日本政府が「領事関係に関するウィーン条約違反」と断定した重要な根拠となったこともわかった。中国政府は「館員自殺と中国当局者はいかなる関係もない」と表明しているが、遺書と文書はそれを否定する内容だ。

 自殺した館員は、総領事館と外務省本省との間でやり取りされる機密性の高い文書の通信を担当する「電信官」。遺書は総領事と家族、同僚にあてた計5通があり、パソコンで作成されていた。総領事あての遺書は計5枚の長文で、中国側の接近から自殺を決意するまでの経緯が個条書きで記され、最後に「2004年5月5日」の日付と名前が自筆で書き込まれている。

 それによると、情報当局は、まず03年6月、館員と交際していたカラオケ店の女性を売春容疑で拘束。処罰をせずに釈放し、館員への連絡役に仕立てた。館員は同年12月以降、女性関係の負い目から当局者との接触を余儀なくされた。接触してきたのは「公安の隊長」を名乗る男性と、通訳の女性の2人だった。

 館員は差し障りのない話しかしなかったが、04年2月20日、自宅に届いた中国語の文書が関係を一変させた。文書は、スパイの監視に当たる「国家安全省の者」を名乗り、「あなたか総領事、首席領事のいずれかと連絡を取りたい」と要求。携帯電話番号を記し、「〈1〉必ず公衆電話を使う〈2〉金曜か日曜の19時―20時の間に連絡せよ」と指定してあった。

 館員は「隊長」に相談。すると約2週間後、「犯人を逮捕した」と返事がきた。文書を作った者を捕まえたので、問題は解決した、との意味だった。館員はこの時初めて文書は「隊長」らが作った可能性が高く、自分を取り込むためのでっちあげと気付いた。遺書には、「(文書は)彼らが仕組んだ」と悟った、と書いている。

 「犯人逮捕」を期に、「隊長」は態度を急変。サハリンへの異動が決まった直後の同年5月2日には「なぜ(異動を)黙っていたんだ」と恫喝(どうかつ)した。「隊長」は、総領事館の館員全員が載っている中国語の名簿を出し、「全員の出身省庁を答えろ」と詰め寄った。「あなたは電信官だろう。報告が全部あなたの所を通るのを知っている。館員が会っている中国人の名前を言え」と追い打ちをかけた。

 最後には、「今度会うとき持ってこられるものはなんだ」と尋ね、「私たちが興味あるものだ。分かるだろう」と迫った。

 約3時間、恫喝された館員は協力に同意し、同月6日午後7時の再会を約束した。館員は、「隊長」は次には必ず暗号電文の情報をやりとりする「通信システム」のことを聞いてくると考え、面会前日の5日に遺書をつづり、6日未明、総領事館内で自殺した。遺書には「日本を売らない限り私は出国できそうにありませんので、この道を選びました」などとも記している。

 「領事関係に関するウィーン条約」は第40条で、領事官の身体や自由、尊厳に対する侵害防止のため、受け入れ国が「すべての適当な措置」を取るとしている。遺書の内容は具体的で、それを裏付ける中国語文書も存在しているため、中国側の条約違反の疑いが濃厚だ。

 外務省の鹿取克章外務報道官は30日夜、上海総領事館員の遺書の内容が判明したことについて「本件は、館員のプライバシーにかかわるので、コメントは差し控えたい」と述べた。


極めて具体的な内容で、しかも・・・
中国側が館員を取り込むために用いた中国語の文書も存在しており
中国の公安は、証拠残しちゃってるのか・・・
他の報道も見てみますか。

<上海職員自殺>「中国側の脅迫、どう喝」安倍氏が痛烈批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060331-00000041-mai-pol&kz=pol
 安倍晋三官房長官は31日午前の記者会見で、04年5月に上海総領事館の男性職員が自殺した事件に関し「中国側公安当局関係者による冷酷非情な脅迫、どう喝があった」と述べ、職員を自殺に追い込んだ中国政府の行為を「脅迫、どう喝」という厳しい表現で批判した。外務省筋によると、職員は暗号電文などの通信に携わる電信官で、上海総領事らにあてた遺書から、中国の公安当局関係者に暗号システムなど機密情報の提供を強要されていたことが明らかになっているという。
 安倍長官は「遺書には脅迫などの行為があったとの趣旨が一部に記載されている。職員はこれらの脅迫に屈することなく、国のため命をかけた」と述べ、中国側の要求から逃れるために自殺したことを改めて指摘。麻生太郎外相も記者会見で「(遺書によって在外職員に対する諜報(ちょうほう)活動の)一端が出てきた。これは厳重に抗議すると同時に、そういうのがあったときにはさっさと上司に報告するように指示をさせている」と述べ、在外公館に諜報活動への警戒を徹底させたことを強調した。

中国公安のどう喝の一端 自殺領事館遺書で外相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060331-00000117-kyodo-pol
 麻生太郎外相は31日午前の記者会見で、一部報道機関が2004年5月に自殺した在上海総領事館員の遺書を詳細に掲載したことに関し「(中国の)公安当局によるどう喝が行われていたことの一端が出てきたということ。これには厳重に抗議する」と述べた。
 遺書の内容が真正であることを前提に、中国側に領事関係に関するウィーン条約違反行為があったとの認識をあらためて示した発言だ。
 31日付の読売新聞朝刊によると、自殺した同総領事館員が総領事あてに残した遺書には、中国の情報当局者が全館員の出身省庁を聞き出したりするなど、執拗(しつよう)に機密提供を迫る様子が記されている。
 麻生氏は記者会見で、館員が女性問題を材料に中国側から暗号電文解読の機密情報提供を強要されていたことを念頭に「常にそういう誘いはあるものだ。そうした時は上司に報告することが大事なので、その線で指示をさせている」と述べ、既に再発防止措置をとっていることを強調した。


ひどい話です。ウイーン条約を守らない中国という国。

ジュネーブ条約も守らないでしょう(締結してないけど)
中国には、無防備宣言は無効って事ですね。それにしても、自らの命をもって、日本の機密情報を守った、この職員の行動は、尊敬に値します。
そんな今日、中国関係の報道を見ると、こんなニュースも。。。


参拝中止が首脳会談の条件=交流推進も-中国主席、友好7団体と会談
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060331-00000101-jij-int
 【北京31日時事】中国の胡錦濤国家主席は31日、北京の人民大会堂橋本龍太郎元首相ら日中友好7団体会長ら代表と会談、「中日関係が困難に直面した原因は、日本の指導者が繰り返してA級戦犯の祭られた靖国神社に参拝し、両国関係の基礎を損なったことにある」と述べ、小泉純一郎首相の対応を非難した。その上で、「(小泉首相が)靖国参拝をやめれば、首脳会談にいつでも応じる用意がある」と語った。
 胡主席は「中日関係を重視しており、中日友好を発展させることが両国の利益に合致する」として、関係改善に向けた対話・交流推進の重要性も強調。さらに「日本軍国主義者と日本人を区別している」とし、「(日中関係悪化の)原因は中国にも日本人民にもない」と述べた。


はいはい。この橋本龍太郎元首相はじめ、日中友好7団体の方々・・・
絶妙な報道で驚きだろうねまさに・・・


二階に上げてはしごを外す・・・

媚中派の人にとっては大打撃だろうねぇ(笑)
一つだけ言える事。

中華人民共和国政府は、恐ろしい政府です。<