中国のハイテク企業の今

私は仕事柄、海外の顧客と接する事が多いのです。
で、その私の率直な感想として、中国の発展がコレから先も続くという見方に疑問を持っています。
ま、ブログで時たま感想を交えて記事にしてますが。
で、今日見かけた記事なんですが、私の見方と全く同じ・・・ちょっと紹介します。


失速する中国ハイテク企業

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070517/125079/

インテルや米デルに追いつくとも見られた中国の大手ハイテク企業群。
だが、半導体からパソコン、液晶関連までいずれも失速している。
自国の威信にこだわる中国政府の様々な後押しも裏目に出る始末だ。

 世界の大企業と肩を並べようとしてきた中国ハイテク企業は、難局を迎えている。携帯電話端末大手のTCL集団や寧波波導(バード)はフィンランドノキアや米モトローラなどの世界大手に押されて中国市場でシェアを落としており、通信機器の華為技術中興通訊(ZTE)は利益率が悪化している。

 パソコンやテレビに使用される液晶パネルの中国最大手BOEテクノロジー・グループは、業績てこ入れのために非中核部門を売却し、政府に救済措置を求めている。

 半導体大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)や上海宏力半導体製造(GSMC)はかつて世界首位の座を台湾企業から奪うという野望を抱いたほどだが、今は苦戦している。SMICの香港代表アン・チェン氏曰く、「目下最大の課題はいかに黒字に転じるかだ」

 パソコン大手のレノボ・グループですら、海外市場で苦戦を強いられている。米IBMのパソコン事業を買収した2005年には、同社がデルや米ヒューレット・パッカード(HP)に対抗できるような大手企業に成長すると予想されていた。それが今、中国市場では首位を維持しているものの、海外市場ではライバルに後れを取っている。

 中国ハイテク大手を悩ませる沈滞感の一因は、コモディティー化した業界につきものの「市場の力」にある。中国の液晶パネル各社が事業進出したのは同事業の収益率が最も高かった2004年以降で、それ以来、利益を上げた企業はほとんどない。

 SMICの苦境には半導体産業の低迷も大きく影響している。同社は1~3月期決算で900万ドルの黒字を発表したが、一時所得がなければ4000万ドルの赤字だった(豪投資銀行マッコーリー・リサーチ・エクイティーズ調べ)。

 一方、レノボは中国市場の価格競争で収益率が圧迫され、海外では物流上のトラブルが足を引っ張った。欧州でラップトップ型パソコンの人気が高まっているのに、レノボは店頭に十分な数の製品を届けられないのである。

 しかし、中国ハイテク企業の苦悩はすべて、タイミングの悪さや経営判断の誤りの結果というわけではない。彼らにとって大きな利点となるはずの政府による支援が、実は不利に働く場合が多い。優遇融資や減税、馴れ合い的な不動産取引などの見返りに、共産党指導部は重要な経営意思決定の場面に影響力を行使することがよくあるのだ。

 例えばSMIC。同社は近く中国国内の5都市の新工場で操業を開始する。一方、台湾のライバル、UMC(聯華電子)やTSMC(台湾積体電路製造)は台湾内の工場の大半を行き来にクルマで数時間しかかからない2カ所のサイエンスパークに構えている。各工場の管理が容易になるためだ。

 では、なぜSMICの工場はこのように分散してしまったのだろう。

 大和総研香港支局のアナリスト、プラナブ・クマール・サマール氏は、「あらゆる地方政府がハイテク産業に参入したがっているからだ」と解説する。政治的には良いかもしれないが、ビジネスとしては賢明とは言えない。

 また、中国企業の多くは国産技術の開発促進という政府の方針のつけを払わされている。例えば国営の大唐電信科技産業集団は第3世代(3G)携帯電話向け技術で、既に使用されている世界基準のどれかを採用すれば簡単に済むところを、自前での技術開発にこだわったために、10年の歳月と何億ドルものカネを無駄にした。

 華為技術中興通訊その他の携帯端末メーカー数十社も、同じ理由でつまずいた。中国企業には「ゼロから始められる(3G)市場などなかった」のだと、北京のマーブリッジ・コンサルティングのマーク・ナトキン氏は言う。

 一方、中国に進出している外国企業は足踏みしていない。台湾や韓国、日本の液晶パネルメーカーは自国や中国の工場の生産性向上に何十億ドルもつぎ込んでいる。中国企業には技術もないし、外資のような超高額工場を建設する資金もない。市場調査会社iサプリで中国を担当するバイロン・ウー氏は、「中国企業が追いつくのは非常に難しい」と見る。



実際のところ、世界の工場と言われるまでになった中国ですが、その中国で利益を上げているのは『外国企業』ばかり。中国の企業で利益を上げられている会社は非常に少ないのではないか、と。
日本の企業と違って、中国の場合『国策』で優遇措置が取られるかわりに、当然見返りも要求される・・・その結果、結局非効率な経営をしなければならない、と。

ま、なんと言うか・・・


私なら、中国への投資はしないな。