福島の原発について、失敗学会HPより。

福島の第一原子力発電所において、千年に一度とも言われる大地震とその津波によって原子力発電所の命とも言うべき冷却系統が働かなくなり、結果として放射能の漏洩など極めて大きな被害が出る結果となりました。
東京電力は、『これまで原子力は安全と言ってたのは嘘だったのか』『安全神話が崩壊した』等と責められてます。
私は、原子力の世界には疎いながらも、一応技術者としてこの問題をどう捉えるべきかという事を考えておりました。
 
少なくとも、安全神話を信じていたのに裏切られた』というような声には、複雑な心境を持ちます。
 
どの様な技術であっても、必ず異常は発生する。
 
残念ですけども、これは事実なんですよ。世の中に絶対って事は無い。残念だけど。
だけども、想定される問題に対して対処する事で、その可能性を下げる事は出来る、と。
技術って、小さいトラブルへの対応を行う事で、大きな事故の可能性を引き下げる事、それを繰り返して確立していくものだけれども、完成形って無いというもので・・・
だけども、それを真面目にやってると、コストも上がるわけですよ
これって、『環境問題』ってのに置き換えても良いかも知れないですね。
 
環境問題に対応するのは、コストがかかる。安全に対しての対応もコストがかかる。
国際的な競争とやらでコスト競争した時、本当は削ってはいけない部分に手を出してしまう・・・
 
色んな事故が、こんな原因で起きてませんかね?
 
中国では環境破壊が続いているそうです。地下水が汚染され、癌の発生率が異常に高い村が出ているとか。
私らから見ますと、『何でそんな環境破壊を許しているのか?』という事も、彼らからすれば
『何でそんな金にならない事に金を掛けるんだ?』っていう話になるわけで。
そんな国の人たちと、同じ土俵で戦う事が国際競争ですか。
国際競争って、ルール無しの潰しあいってことですか。競争って、そんなに良い事なんですか。
ついでに言わせていただくと。
 
安いことって、そんなに良い事ですか?
と。
 
というわけで、私は、ネットの論調のように、東京電力という企業を責める気にはならんのです。
いや、東京電力の経営陣の対応がベストであったかというと、それには疑問を持つわけですが。
 
前置きが長くなりました。
原子力発電所の事故について、私が最も信頼を置いているレポートは、テレビに出てくる原子力の専門家ではなく、失敗学会HPに公開されている、吉岡律夫氏のレポートです。
吉岡氏は、今回事故を起こした福島原発にかかわり、3号機以降の原子炉は吉岡氏の設計によるものだとの事。(私の誤解があるかも)
設計者であり、その仕組みもお分かりの方が、発生している事実と照らし合わせてみると、報道されている事よりも吉岡氏のレポートの方が事実をより捕まえていると思うわけです。
 
そんな失敗学会のHPより、報道について書かれた文章がありました。
以下に紹介します。
 
 

不思議報道とその魔力

 昨日(2011年5月31日)ある御仁からお知らせをいただいた。goo ニュース 8:00am に、 30日付の産経新聞が引用してある。興味のある人は以下リンクをクリックされたし。ただし、この記事がいつまで表示されるかは、当会の管理外なので御了承いただきたい。


 我らの注意を引いたのは原子力安全基盤機構の研究報告に関するくだりで、『15メートルを越える津波で全交流電源喪失、炉心損傷がほぼ100%起こる』と警鐘を鳴らしていると言うのだ。
 ここで、読者は5月9日付け
吉岡メモ第36報を読み返していただきたい。このメモの冒頭、吉岡さんはこう書き記されている、
原子力安全基盤機構の研究報告の予測シナリオと、今回の福島原発事故とを比較しました。結論から言うと、殆ど今回の福島原発事故を予測したような報告書です。』
 前述、産経新聞の記事ではこの事実が明らかになったのが5月30日としているとのことだ。

 失敗学会のHPアクセスをカウントしてみると、吉岡メモの掲載を開始してから、それまで日平均 700程度だった Visit 数が今や日平均 3,000以上と大きく躍進した。なお、Visit数 とは Hit数と違い、訪問した人の数に近い数字である。吉岡メモを参考にしている人は多い。
 しかし、失敗学会のホームページに掲載された情報が、“明らかになった”こととはならないのは残念だ。残念ではあるものの、多くの人がその情報を目にし、役に立てているならそれで良しとしよう。

 私たちが注意しなければならないのは、安易に世間を驚かす言葉を使わないことだ。例えば、メルトダウン」と騒がれ始め、それが定着したかのようだが、
吉岡メモ第42報にあるように、原発で melt というときは二酸化ウランが溶融する約2800度に達したということだ。燃料ペレット(吉岡メモ第7報参照)は、ジルコニウム合金の被覆管に守られているものの、そのジルコニウム合金は700度程度で融け始める。そうすると、燃料棒内の二酸化ウランペレットはバラバラになって落下する。それも使い古しの燃料棒の場合、最初のペレット形状を保っていることはなく、かなりのひび割れを起こしている。米国、テネシー州オークリッジ国立研究所の報告書 4、5ページ (ここをクリック)には、 MOX燃料だがその様子を写真撮影した画像があるので、こちらも参照すると良い。残念ながら、同報告書第1ページには、内容の転載は米国連邦政府の目的に限るとあるので写真を本ページには再掲載できない。

 日本で英語が勝手に一人歩きを始めることが意外に多い。失敗学に関する言葉で言えば、インシデントとアクシデントの使い分けだろう。元々の incident という言葉は accident や故意によるものも含めた“できごと”を意味する包括的言葉だ。決してできごとのうち、事故にならなかったヒヤリハットを意味するものではない。おそらくはどこかで英語圏の人が
      "It was an incident, but not an accident"
と言ったのを耳にして、2つの言葉が排他的と勝手に勘違いしたことに起因しているのだろう。勝手にカタカナ英語の意味を変えて使うと国際社会で思わぬ勘違いが起こってしまう。
http://www.shippai.org/images/html/news578/incident.jpg

 本記事では、メルトダウンはなかったと断言するものでは決してない。現時点ではそれはわからないのではないかと疑問を投げているだけである。冒頭の新聞記事では、5月30日に明らかになったのではなく、記事執筆者の知るところとなったというのが正確だろう。 吉岡メモ第36報も、その原子力安全基盤機構報告書の内容を示して、事前にその危険が知れていたと初めて明らかになったとは決して書いてはいない。つまり、誇張やゆがみがないのである
 失敗学会HPも、人が注目する情報発信源となった。これまでにまして情報を正確に伝えるよう、心しなければいけないと思った。

 
まあ、マスゴミの報道は常にセンセーショナルなもの。
彼らの報道を全て真に受けてはならないという事。
事実の隠蔽を疑うと同時に、報道の誇張についても注意を払う必要があるという事でしょうか。
 
今、放射能に対しての反応に非常に敏感になっている人が多いようですが・・・
実際に測定したデータを信用するならば、少なくとも大人は心配するに及ばないのではないか、と。
もうちょっと冷静になろうぜ。
現場で命がけで働いている東京電力関係者を信じて、敬意を払いたい。
放射能汚染を心配する声も分かるけれども、出荷時の検査を今は信じよう。
現場で必死で働いている人たちの働きを信じよう。
 
 
民主党の政治家の皆さんは、残念ながら信じられないけども。
 
 
 
(*あくまでも個人の感想です)
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もう消えてくれないかな、日本の為に。
 
 
被災地の皆さん頑張って下さい!!
行方不明者の捜索、及び復興支援にあたっている、自衛隊海上保安庁、消防、警察、その他有志の方々の安全をお祈りいたします。
原発で命がけで作業に当たってる方も、どうかご安全に!!
 
正しい解決方法は、環境が変わればそれに応じて変わらなければならない。
日本は本当に衰退して行くのか?この本を読むとちょっと見方が変わります。↓