一文字山の星空2

外付けHDDの整理をしていたら出てきた、盧溝橋事件に遭遇したじいさんの手記。
続きをば。


二、夜間演習
支那駐屯軍歩兵第一連隊第三大隊八中隊五班 山崎直人初年兵。入隊して三ヶ月でありすべての作業 決まり は幼稚園の生徒と同じ様なもので何一つ自分から思い切った動作はできなかった 軍隊の精神を叩き込まれそれに馴染む 表現が可笑しいかもしれないが上官の命令によって動くことである
  一 軍人は忠節をつくすを本分とすべし
  一 軍人は礼儀を正しくすべし
  一 軍人は武勇を尚ふべし
  一 軍人は信義を重んずべし
  一 軍人は質素を旨とすべし
 この五ヶ條は日本軍人の精神であり真心の五ヶ條の精神である
 毎日この五ヶ條を読んで暗記する
 実際は一ヶ條には 原稿用紙一枚もある教えの文が続くのであって長いのを前文だけを読むのである
 明治十五年一月四日 御 名
 とある 明治天皇が軍人に賜った勅語である 七月七日朝大きな声で五ヶ條を朗読後 高橋班長から 夜間演習をやる 初めての夜間行動であるから良く今までの教練を守って行動する隊から離れない様にする 装備は同じ 薬ごの中は空砲十五発実砲十五発であった これは駐屯軍の普段の時でも大体きまりであった
 中隊としても可なり従実した編成となって豊台を出発した中隊長も何時もより張り切って全体が力が入っていた 初年兵の第一期検閲であった向かう所は砂利取り場であった
 此処で私は 仮せ敵を命じられ二年兵の丸丸上等兵の指揮下に入ったもう一人初年兵が他の班から来て三名となり野地小尉に挨拶して一文字山に登った
 太陽の照る暑い砂利の河原から山に入ると石の焼けた熱風から開放されて一息つく なぜ川もない所に石の河原があるのか疑問をもっていた
 何万年も前は大きな川だったのであろう
 一文字山この山は平野にぽこっと まるでぼた山みたいな人造で積み上げた感じのする平原に飛び出た山であった
 山の稜線は三百八十度大陸の地平線と空の線を見渡す事ができ熱風から開放された

三、豊台
汽車は何処から来て何処え行くかも私はしらない 日本から船に乗り ごつい汽車に乗り兵舎に入り其れこそ西も東も考える暇なんてなかつたのである 一秒のゆとりもない一日を体と気持ちは駈けずりまわってベットに入るまで落ち着かない初年兵なのである 考えて見ると二年兵は東北人らしい 彼ら同士の会話を聞いて居るとてんで半分はゼロに近く分らないのである
 兵器工場の二年兵は関西人でこれ又分らないのである我々初年兵は関東出身で標準語を使う 奇妙な部隊編成になっておる
 外人部隊であるから 変わった部隊編成になるのであろう
 兵舎の東南に十メートル位の高さの築山があった好奇心から其処まで行って見ると五六人の支那人が作業をしていて四角い氷を室から出しておるのだった 日本と同じ様な方式で氷の保存をしているのだった
 支那人との接触はこの時が始めてであった
 六月に入ってから度々支那語の勉強があった 一息つく時間でもあった
 友好を図るには 対話が出来ないとだめですと通訳の先生は言う
 中隊長清水節郎大尉は支那人から物を買う時は必ず金を支払う、貰ってはいけない これは原則であった
 京劇この劇団が豊台に来た日本の歌舞伎より動作が激しく昔の物語を強く印象付けるものがあった
 中隊の活動、班の仲間、軍隊生活が分ってきて多少の緊張と不安が薄らいできた
 単語も出来る限り暗記する様にした
 これいくら 何処え行きますか これは何ですか 有難う 今日は 元気ですか
 日常の会話が出来れば支那の国がどんな国かが理解されるのが早い筈であったが 直観して支那はとてっもなく広い広い国であり民族も我慢 忍耐強くのんびりした民族である
 とかんがへるのである


四、夜間演習 

支那駐屯軍歩兵第一連隊第三大隊八中隊五班山崎直人入隊して三ヶ月であり 全ての作業軍の決まりは 幼稚園の生徒と同じ様なもので自分から思いきった動作は出来なかった軍隊の精神を叩き込まれそれに馴染む何でも上官の命によって動く事になっておる
一つ 軍人は忠節を尽くすことを本分とすべし
一つ 軍人は礼儀を正しくすべし
一つ 軍人は武勇を尚ふべし
一つ 軍人は信義を重んずべし
一つ 軍人は質素を旨とすべし
この五か条は日本軍人精神であり真心の五か条の精神である
毎日この五か条を読んで暗記する
実際には一か条には原稿用紙一、二枚もある教えの文が続くのであって長いのを前文だけを読むのである
明治十五年一月四日
御 名
と ある 明治天皇が軍人に賜った勅語である
七月七日朝 五ヶ条を朗読後 高橋班長から夜間演習をやる始めての夜間行動であるから良く今までの教練を守って行動する隊から離れない様にする 装備は今までと同じ 
薬ごの中には空砲十五発 実弾十五発であった 駐屯軍の普段の時でも決まりであった
中隊としても充實した編成となって豊台を出発した中隊長も何時もより張り切っており全隊も気合が入っていた
初年兵の第一期の検閲であった
向かう所は 砂利取り場であった
ここで私は仮せ敵を命じられた 二年兵の丸丸上等兵の指揮かに入った もう一人初年兵が一名他の班から入り三名となり 野地少尉に挨拶して一文字山に登った
 太陽の照る暑い砂利の河原から山に入ると石の焼けた熱風から開放され 
 て 一息つく なぜ川も無い所に石の河原があるのか疑問を持っていた
 何万年も前は大きな川であったのであろう
 一文字山この山は平野にぽこっとまるで ぼた山みたいな人造の積み上げた感じのする平原に飛び出たやまであつた
 山の稜線は 三百六十度大陸の地平線と空の線を見渡す事が出来熱風から解放された
 簡単な壕を掘り回りに草を置いて壕を隠した
 中隊は各分隊に別れ教練をやりながら永定川に向かって進行して行った
 山から永定川まで一キロその間訓練を各分隊がやりながら動いている様がよく分り 太陽が西にかたむく頃には全く人影は見えなく広い広い高原 原野になって静かに沈む太陽をまっていた
 時間をかけて真っ赤に西の空をそめて夕やみとなってゆく
 東の空は高原と共に真っ暗で大きな星が幾つか見え見つめて居るとだんだんと増えてゆく 西の空も完全に太陽は没み苑平県城は闇の中にうっすらと浮かんで見え
 a永定川からかすかに風が流れてきて 仮せ敵である私達三人は闇につつまれた一文字山の稜線に立っていた 静かな闇の中苑平県城から支那特有の音楽が聞こえて来た 太鼓 笛 チャルメラ 胡弓 鐘 楽器のことは全然分らないが 闇をとぅして 聞こえて来た 空一面に星が輝いて天の川はそれこそ滝がおちる様に流れをつくり 北東七星 たち は体制を崩さず夜空一杯に私達三人の一文字山の仮せ敵を今にも星の大群となてつて降り落ちて来る夜の光景であった






同じ内容が重複しているのは原文のまま。
続く。
 
(*故人の残された手記の紹介です)
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