千日回峰行 最難関の「堂入り」、達成

この書庫は、これまでの『仏像めぐり』の記録を記していたのですが、これはもう、『生き仏』として認定しても良いのでは無いかと思います。

比叡山の荒行である、千日回峰行をされている星野円道師が、『堂入り』の修行を終えて堂を出られたのだとか。

話では聞いていたこの荒行、9日間の断食、断水、不眠、不臥・・・
とても人間に出来る事とは思えません。
苦行と言っても、どこかに『救い』があるのでは無いか、そう思っていたのですが、その詳細内容が報じられたのを見て、驚きました。


スーパー住職!9日間連続…横にならない、飲まない、食べない、寝ない
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071022-00000007-sph-soci

 比叡山中の明王堂(大津市)で9日間にわたり断食、断水、不眠、不臥(ふが)で不動真言を唱え続ける難行「堂入り」に挑んでいた比叡山延暦寺大乗院住職の星野円道(えんどう)さん(32)が21日未明、無事に行を終えて堂を出た。「堂入り」は天台宗の荒行「千日回峰行」の最難関。達成した行者は6年ぶりで戦後12人目になる。心身ともに限界に挑んだ星野さんだが、入院はせず自分の寺へ帰り体力回復を待つという。

 荒行を完遂し明王堂から出てきた星野さんの顔は、ほおがこけ目もうつろ。13日に堂に入った時とは別人のようだった。

 午前1時すぎ、お供え用の最後の水くみへ行った後、堂内で僧侶約20人と読経。午前3時、正面の扉が開かれ、約600人の信者が不動真言を唱えながら見守る中、星野さんが両脇を僧侶に抱えられながら現れた。薬湯を口にすると、約200メートル離れた自身が住職を務める大乗院へ。しばらくはリンゴジュースやスポーツドリンクなどで胃腸の調子を整え“リハビリ”するという。

 比叡山中を計1000日かけ地球一周分の約4万キロを踏破する天台宗の荒行「千日回峰行。その中でも堂入りは最大の難関で、700日終了後に明王堂に入り断食、断水、不眠、不臥を9日間行い不動真言を10万回唱える。激しく衰弱するため「生き葬式」とも言われる。

 お供えの水をくみに行く以外は堂を出ず、5日目から許されるうがい以外は何も口にすることが許されない。比叡山関係者は「小便のキレは徐々になくなり、大便はずっと出ない人もいる」。体重も15キロ近く減るという。

 介添え役や、一緒に線香をあげたり読経する僧侶など、常に少なくとも20人が一緒にいるため睡眠は不可能。うがいの際に水を飲んでしまう可能性もあるが「不正をする(ような人)なら最初からやらないでしょう」と関係者。星野さんは6年ぶりで戦後12人目の挑戦者だが「それは(あまりの壮絶ぶりに)自分から手を挙げる人がいなかったから」という。

 過去、回峰行を2度行った権大僧正の酒井雄哉さん(81)のホームページによると、行者には「もし行半ばで挫折すれば自ら生命を絶つ掟(おきて)」が存在。関係者も「脱落はあり得ない。体調を崩しても修行後に回復させる」と厳しい。


 無事に堂入りを終えても、体調の回復は容易ではないという。「食事は食べても吐いてしまうのでジュース、流動食から始める。睡眠も寝ようとしても寝られない」(関係者)という。

 偉業を成し遂げた星野さんは東京都出身。高校1年から比叡山に入り比叡山高に通っていた。03年から「千日回峰行」にチャレンジしていた。今後は、京都市内の寺社など1日84キロの行程を巡る「京都大廻り」などを行い、満行すると「大阿闍梨あじゃり)」の尊称が与えられる。



『スーパー住職』という呼び名は、ちょっとどうかと思うけど。(苦笑)

これまで、この修行は一人で行うものだとばかり思っていたのですが、介添え役や、一緒に読経する20人の僧侶と一緒に修行を行うわけですか・・・

しかも、ただ座ってるだけではなく、立って歩いたりもするわけですか・・・

なんとも凄まじい。人間の限界をはるかに超えてしまっているのではなかろうか、と。


この修行の様子のニュースを読みながら、ふと思った。


よく、『自分探し』って事が言われます。『自分探しの旅』的な・・・

それに対して、こういう修行ってのは、『自分無くしの旅』とでも呼ぶべきものでは無いか、と。

自分の中にあるもの、全てを捨てて行き、最後には命の限界まで、もう少しで命すらも捨ててしまう・・・

その極限の世界を体験すると、本当に何物かに生まれ変わるような経験が出来るのかも知れないな、と思った次第です。


この行を満行すると、不動明王と一体になるのだとか。

その世界で何が見えるのか・・・



興味はあっても、そうそう簡単に全てを捨てる事が出来ないのは凡人の性ですかね。

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